紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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  <紀伊半島の巨木を訪ねる>

 三重県紀北町紀伊長島区 長島神社の大クス

 旧紀伊長島町は、平成の大合併で隣の旧海山町と合併し、新しく紀北町と町名が変わり、旧町は紀伊長島区と呼ばれるようになった。大クスの生育する長島神社は、国道42号線で長島トンネルをに抜けた次の信号を左折して江の浦北岸に沿って少し行った家並みの背後の高台にある。

 大クスは、神社の石段の脇にそびえていて、幹回り約10m余であるが、その大きさに感嘆する。長島神社の社叢林は、この大クスを含めてスダジイ、クスノキ、イヌマキ、スギ等の樹種に代表される暖地性植物群落の特徴を示し、三重県の天然記念物に指定されている。最下段の写真に示すように、長島神社はクスなどの暖地性の照葉樹により覆われている。

 このような紀伊半島地域の気候の下で育まれた暖地性植物群落が、長い歴史を刻んだ神社に残されているのを見るにつけ、南方熊楠が生態保護の先駆的な考えから、明治政府の強力な神社統廃合政策下で社叢林の改廃と伐採に反対し、ついに中止に導いたことを思い出す。

(写真をクリックすると拡大します)
長島神社最大の大クスの太い樹幹。ご神木としてしめ縄が張られている。
この大クスの全体像。旺盛な生育をしていて、若葉が美しい。
境内の奥には別の大クスがあったが、近づけなかった。
長島神社の境内を覆う大クスなどの照葉樹。

 関連情報:三重県の天然記念物 (三重県教育委員会事務局文化財保護室HP) 

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